最旬のKPOPダンス!その魅力と特徴は?
日本の韓流ブームと世界的人気のKPOPを支えるダンス
国内では2003年の韓国ドラマ『冬のソナタ』の大ヒットを機に、社会現象ともいえる一大流行を巻き起こした韓流は、国家戦略としてエンターテインメント領域に力を入れる同国の方針もあり、ドラマ、音楽、映画などからなる大衆文化がひとつのコンテンツブランドとしてグローバルに展開され、日本のみならず海外各国でそれぞれに花開き、人気を博するものとなりました。
2000年代初期に日本で発生した第1次といえる韓流ブームでは、懐かしくもある王道の純愛ドラマ系が中心であったことなどから、中高年女性が流行を牽引、韓国人俳優に高い注目が集まるようになった点が特徴的でした。その後韓国時代劇ドラマや韓国料理などにも流行効果が波及、KPOPと呼ばれる音楽は若年層をも取り込んで、新たな人気の音楽ジャンルを形成していったといえるでしょう。
初期にはBoAや少女時代、KARA、東方神起らが活躍、彼らに続いてさまざまなアイドルグループや歌手が日本デビューを果たしていきました。2010年代の前半期には、やや飽和状態となってブームが下火になりましたが、近年は第2次、第3次ブーム期を迎え、とくに10代の若年層に熱い支持を得るアーティストや文化が次々に生まれています。
政治社会面では2国間の関係が難しい状況が続き、文化交流においても悪影響が懸念される今日ですが、中高生をはじめとする若年層での韓流人気に衰えはみられず、多くの韓国アイドルグループは、それぞれに巧みなSNSコミュニケーションとルックス、歌唱力、衣装、MV、そして何より印象的で魅力的なダンスを武器として、ファン支持を集め続けています。
この、KPOPを魅力あるものとみせる非常に大きな要素になっているダンスは、自分もあんなふうに踊ってみたいと感じる初心者を惹きつけ、また他の既存ジャンルにおけるダンサーにも新たな刺激を与えるものとなり、ダンス界の最新ジャンルとして存在感を放つようにもなってきています。そこで今回はこうしたKPOPダンスにスポットを当て、どのような特徴があるのか、その魅力やポイントをみていくこととしましょう。
さまざまなミックスでキャッチーに
KPOPダンスは、彼らのパフォーマンスに不可欠な要素としてあり、その一度聴けば忘れられず、繰り返して思わずハマってしまう特有の中毒性をもったメロディとリズムによる音楽をより強調して伝えるだけでなく、見ていると、共有したり、真似したりしたくなる要素が凝縮されたものとなっています。
まさに現代の受容スタイルに合った魅力に満ちており、それぞれのグループやメンバー、曲、詞の特徴をダイレクトに反映させた独特な動き、複数人数を活かした多彩なフォーメーション、全体としてキレが良くシンクロ性の高い仕上がりとなっている点が共通の特徴といえるでしょう。
しかし、KPOPダンスが何に属するどんな踊りであるかということは、一概には述べにくく、ひとつひとつが多彩なジャンルミックスによって出来上がっており、それゆえ愛好する人の増加とともに、新しい「KPOPダンス」というジャンルのものとして認識されるようになったと考えられます。独創的に、キャッチーに、現代の嗜好を反映した、クールで新しいダンスがKPOPダンスなのです。決まった型は存在せず、ダンス界の最先端トレンドも積極的に取り入れ、今なお進化を続けている点もKPOPダンスの大きな特徴です。
男性KPOPアイドルのダンス特徴
KPOPダンスは、まずパフォーマーが男性か女性かで、大きくその傾向に違いがあります。まず男性の場合を考えてみましょう。海外評価も高く、日本でも多くのファンをもつ防弾少年団(BTS)やBIGBANGなどは、およそヒップホップ、スタイルヒップホップをベースにしたダンスを踊っています。
SHINeeやEXOではヒップホップジャズ、ジャズヒップホップも見受けられ、曲によって変化させていますが、これらの例をみても、男性グループの場合、ヒップホップダンスが根底にあり、その派生形・進化形がベースとなって、さまざまなジャンルのダンスにおける動きがミックスされているといえます。
しっかりとトレーニングされた基礎体力と技術力の高さで、スピード感のある曲でも一糸乱れぬシンクロ率の群舞をみせたり、動きのひとつひとつに際立ったキレをみせたりする点は、グループを超えて共通しており、シェイクやクランプ、シャッフルなどの高度なアレンジもみられます。
洗練されたスタイリッシュなダンスが基本で、強いリズムの拍動が感じられるものが多いものの、曲調や表現したいものに合わせた独創的な動きや、ファンがすぐに覚えて真似できる動作などを上手く織り込むケースも多く、多彩な表現性ももっています。スタイリッシュでクール、力強く格好いいダンスをヒップホップベースで展開しつつ、ユニークさやときに愛らしさをも加え、ギャップで魅力を増しているとみることもできるでしょう。
女性KPOPアイドルのダンス特徴
女性KPOPグループでは、男性グループより曲調も明るく、ポップでキュートなリズム楽曲を歌うことが多く、ダンスもそれに合った可愛らしさが際立つスタイルに仕上げられているという傾向があります。同性も憧れる抜群のスタイルを活かしたポージングも特徴的で、曲の世界観をキャッチーにとらえたキュートポーズやセクシーポーズが話題になることも多いですね。
ダンスのベースには、キュートさと格好よさを兼ね備えるガールズヒップホップが主にあるといえるでしょう。他にジャズダンスやチアなどから取り入れられた要素がみられることも多く、可愛くてノリが良い、フォーメーションにも多彩な工夫があって見ていて飽きないパフォーマンスが展開されています。
2007年に韓国でデビューし、2009年に大ヒット、そのまま2010年に日本デビューを果たして以来、一線を走り続け今も高い人気を誇る少女時代は、当初、よりキレがあり、アイドルダンスの枠を超えた難易度の高いダンススタイルをとっていましたが、近年は“シェア”全盛のトレンドなどを意識し、印象に残る独創的な振り、真似したくなるダンスの部分要素を濃くしながら、そのパフォーマンスを進化させています。
比較的ホットな活動期間が短いとされるKPOP界にあって、これだけ長く人気を維持し、今も女子中高生など新たなファンを獲得し続けている背景には、やはりダンスのクオリティと進化が一因としてあり、その変遷はKPOPガールズグループによるダンスの特徴的進化を象徴している部分があるでしょう。
近年人気が高いグループとしては、他にYouTubeでのダンス動画がしばしば注目されるBLAKPINKや、日韓合同グループのIZ*ONE(アイズワン)、「TT」ダンスが大流行したTWICEなどが代表的です。彼女らにも共通するのは、女性らしくキュートでちょっぴりセクシー、ガールズヒップホップを基本とするダンスとなっています。完璧には難しくても、多くの人が真似して踊れるような振り付けが意識的に多く採用されているところも特徴として挙げられます。
また「TT」ダンスなどはとくにその代表格ですが、顔まわりで独創性を発揮した目立つ振りがとられやすいのは、他にない特色です。こうしたダンスの振付師によれば、韓国の音楽番組の場合、顔にズームアップされることが多いため、そうしたクリエーションスタイルをとっているとのことですが、そこにキャッチーなポイントが置かれることで、結果として誰もが真似をし、セルフィーや短尺の動画をシェアする楽しみを見出しやすくなったのは、現代的なヒットのポイントといえそうです。
まとめ
いかがでしたか。中毒性のあるリズム・メロディを全身で感じながら、さまざまなジャンルのダンスをミックスさせて踊っていく新ジャンルのKPOPダンスは、ダンス界のトレンドはもちろん、若年層を中心とする流行最先端のライフスタイルや価値観になじむ要素も巧みに取り込みながら、今も進化を続けているダンスです。
カバーダンスも人気で、初心者から挑戦しやすい特徴もあり、注目度の高いダンスといえるでしょう。KPOPダンスからダンスの世界に足を踏み入れる人も多くなっており、今後も熱い視線を集め続けるジャンルとなりそうですね。
(画像はPixabayより)
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