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なかなかダンスが上手くならないウチの子、原因はどこに?

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習い事人気のダンス!どうすれば上達する?

近年、習い事としてダンスを始める子どもが急増しています。格好良く踊るダンスアイドルグループやアーティストダンサーの存在、イベントなどで活躍するダンサーなど、子ども自身が触れて憧れをもつ機会が身近に増えたことはもちろん、心身の成長に優れた効果をもつものとしてその教育的効果が評価され、習い事として定着し、すでに通っている友だちが周りにいるなど、取り巻く環境の変化が大きな影響を与えていると考えられます。

動画共有サイトに数多くアップされたダンス動画を観て、あんなふうに踊ってみたいとダンスに興味をもつ子どもも増えていますし、学校での必修化を受けて、早い段階から慣れさせたいと親御さんから、ダンスを習ってみることを勧めるケースもあるでしょう。

いずれにしても、こうした現代のニーズと人気から、キッズダンススクールやジュニアダンスのレッスンスタジオは多く開設されるようになり、気軽に通えるものとなりました。しかし一方で、習い始めたもののなかなか上達しない、振り付けが覚えにくいのか周りの子から遅れがち、最近はそのせいかあまりやる気もわかないみたいだし……など、我が子の状態を心配される方が増え、お悩みの声もしばしば聞かれています。

このままでいいのか、なぜ上達しないのか、見守る親御さんとしては不安と心配が膨らむばかりですよね。そこで今回は、上達が伸び悩んでしまう要因と、そうした子どもにみられる傾向、上達しやすい子どもとの違いなどについて解説していきます。

ダンスの意義と実践ポイント

ダンスは、全身を使った運動である一方、創造的な表現活動でもあり、単純に勝ち負けやタイムを競うものではありません。しかしスキルを高めていくことで、基礎体力や筋肉、持久力をしっかりと育み、さらにリズム感や表現力、豊かな感性と創造力を、それぞれの個性を大切にしながら引き出せるほか、自己肯定感をつけたり、グループで踊ることを通じて、社会生活で重要となるコミュニケーション能力の基礎を育んで伸ばしたりと、子どもの成長において、多くのプラスになる効果が期待できると考えられています。

必修化や習い事としての注目度の高まりも、そもそもはこうした観点から起こっていることといえますが、同じようにレッスンを受けても、みなが一様に上達するわけではありません。人はすぐ向き不向きを考えがちですが、成長がゆっくりだからといって向いていないとも限らず、最初はなかなか上手くならなかったけれど、一気に才能を開花させてプロのダンサーになったという人もあります。

基本的には、ゆっくりその子のペースで身につけていくのを見守ることが勧められますが、ちょっとした意外なポイントがつまずきになり、本来の上達への道が妨げられているケースもあります。以下のような点は、上達しづらい子どもにしばしばみられる特徴ですから、まずチェックしてみてください。

「好き」という気持ちの大切さ

第1にダンスが好きという気持ちは持続しているでしょうか。子どもの習い事はダンスに限らず、その世界に興味をもち、楽しく取り組めている状態でこそ上達します。親が本人のためになるだろうと思って始めさせたものの、子どもにとっては好きになれないままであったり、逆に子ども自身から「やってみたい」と意思表示をして始めていても、やってみるとイメージと違った、他にすぐ興味が移ったなどの理由から、まったく楽しめないものになってしまっていたりするかもしれません。

そうした“いやいややらされている”という感覚が先立つようでは、スムーズな上達が望めないのはいうまでもなく当然です。ダンスでも違うジャンルに目を向けたり、違った指導スタイルを採っているスクールを検討してみたりするなど、現状を変えることも考えてみましょう。

観察力は磨けている?

第2に観察力の問題があります。興味関心ややる気との関連性が強いポイントですが、レッスンに集中して取り組み、先生の動きを鋭く、細やかに観察する力のある子どもは、そこから真似る能力も高く、上達が早まる傾向にあります。観察力の高さと真似の上手さは、子どもやダンス初心者の上達度と大いに比例していますから、なかなか上達しない場合、そこに問題があることもしばしばです。

とはいえ、子どもの場合、観察力の発達にも個人差がありますし、それを再現できる力の伸びがどこで現れてくるかもさまざまで、始めてすぐにそれを発揮する子も、ある時から突然伸びる子もあります。年齢や性格など要因も多様ですから、楽しく続けられているか、踊ることに喜びを感じられているかを大事に、あまり焦らず見守ってあげましょう。

ただ、より強い関心をもって、集中して観ることができるダンサーやインストラクターが見つかれば、そのダンサーの動画を簡単に視聴できる環境を整えてあげたり、もし可能ならばその人から指導が受けられる機会を設けてあげたりすると、いっそうの成長や上達を後押しすることができる可能性は高いといえます。子どもの反応もみながら工夫してみると良いですね。

基礎の重要さは理解できている?地道な反復の大切さ

第3として、完成形の振り付けばかり練習していないでしょうか。ダンスが好きで熱心に練習しているようでも、基礎がきちんと身についていなければ、なかなか上手くなりません。ストレッチやアイソレーション、リズムトレーニング、基本になるステップなど、基礎練習を嫌がったり、面倒くさがったりして、振りを通しで練習するだけといった子どもは、新しい技や振り付けへの対応力が低く、上達が遅れてしまいがちです。

基礎が大切ということは、どのダンススクールでも強調されますが、そうした基礎トレーニングはどれも地味で単調なものに感じやすいため、丁寧に日々徹底して取り組める子どもは多くありません。つい“できた”という感覚を味わいやすく、楽しみも多い振り付けだけを練習し、できていないところをごまかしてしまいやすいのです。

しかしちょっと苦手とするところや、もっと向上させられるところなど、基礎にこだわって地道に練習を重ねられる子どもは、たとえ少々スタートが遅れていても、ぐんぐん伸びて他の子に大きく差をつけるほど上達していきます。

発表会イベントがあるから、など基礎練習を飛ばして、表面的な振り付けばかり雰囲気で練習していると、次に進んだとき、何も身についていないゼロからのスタートのようになってしまいます。それどころか基礎を適当にしているため、姿勢や体重移動に間違った癖がついてしまうことも多く、その癖が上達を妨げたり、仕上がりが美しくみえない原因になったり、けがや故障を引き起こす要因にもなってしまうのです。

上達のために大切なのは、何より基礎基本です。身体の可動域を広げ、正しい姿勢と動作でひとつひとつの基本を積み重ねていくこと、スキルが上がっても基礎をおざなりにせず、地道に身体へしみ込ませるように繰り返すこと、これがとても重要なのです。家庭で練習する際など、基礎トレーニングも楽しくできるよう、環境づくりでサポートしてあげたり、基礎の大切さを思い出させるように自然に促すアドバイスをして、地味な基礎練習の時こそ、しっかり以前より良くなった点を褒めてあげたりするなど、工夫してあげましょう。

体幹を鍛えることも基礎として大切です。日頃の生活の中で、片足立ちをしたり、布団の上でごろごろ転がる遊びをしたりすることでも、子どもの体幹は鍛えられます。ダンスに適した身体づくりが進めば、上達も促されるでしょう。

リズム感はOK?

第4にリズム感が問題としてあります。ダンスは音楽を全身で感じ、それにのって身体を動かすものです。プロダンサーの素早い動きや、人間離れしたパフォーマンスを観ていると、運動神経が問われると思われがちですが、それ以上にリズム感を養うことが重要なケースがしばしばです。

個性やセンスもありますが、しっかりビートを感じられるか、リズムのとり方に慣れていけるかは訓練でカバーできます。幅広い音楽に触れ、手拍子で拍をとる練習をしたり、声に出して歌うことでリズムを身体で感じる習慣をつけてみたりすると、リズムトレーニングへ自然につなげられ、上達しやすくなると考えられます。

まとめ

いかがでしたか。運動神経がとても良い子どもや、リズム感、表現力など、必要とされるさまざまな要素に大きな才能を秘めている子どもであっても、ダンスはすぐに上達するものではありません。ぐっとできるようになったとみえる時もあれば、なかなか前に進んでいるようにみえない時もあります。

スムーズに上達していかないと感じた時、それは取り組み方に問題があるからなのか、飛躍的な上達への準備期間として必要なステップにあるからなのか、その違いを見極め、先生と家族で必要なサポートを与えてあげられれば、きっとその子どもは伸びていくでしょう。

ダンスの上達には、想像以上に地道な反復練習が不可欠です。できるだけその過程も楽しみながら、日々取り組むことができれば、その子どもは高いダンススキルを手にすることはもちろん、ダンスを習った経験を通じ、これから歩んでいく人生においても大切な、多くのことを学べるでしょう。ぜひ理想的なダンスライフをサポートしてあげてくださいね。

(画像はPixabayより)


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date : 2019.11.12
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