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ダンスを始めたいけれど体がかたい!こんな私は無理?

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ダンスブーム到来!格好良く踊りたい!

近年、さまざまなジャンルのダンスが、老若男女問わず人気となっています。かつては習い事としてのクラシックバレエやジャズダンス、社交ダンスなどがほとんどで、一部の人が幼少期からレッスンを受けるものであったり、よほどの関心をもつ人がある程度年齢を重ねて趣味として始めるものであったりしましたが、昨今はダンスがより身近になり、気軽にレッスンを受ける人も増えています。

アイドルグループとしての域を超えたダンスパフォーマンスをみせる著名人や、人気歌手のMV、バックでみられるプロダンサーの存在、ダンスコンテストやイベントの増加によるアマチュアダンサーのレベル向上、世界の文化が近くなったことによる多様な伝統舞踊の本格流入など、多くの今日的要素がダンス文化を豊かにするもの、裾野を広げることにつながったと考えられます。

動画共有サイトなどSNS関連で、ダンス動画が人気を集めるようになり、コンテンツとして他のブームを牽引する働きをし始めたことも現代の特徴ですね。思い立ったらすぐに、また何かのイベントを通じてみなで楽しく、誰もが踊ってみるようになった、ダンスを始めるハードルが大幅に下がっていることが、あらゆる方面から指摘できます。

ダンスそのものに魅力を感じて門戸を叩く方はもちろん、憧れのダンサーのようになりたい、近づきたいといった方や、ダイエットなど美容面でエクササイズとして始める方、運動不足の解消やストレス解消など心身の健康増進を目指して始める方など、その動機もいまやきわめて多様です。

でもせっかくならば、楽しく上達しながら、その当初の目的も達成したいですよね。そのように思い描く時、とくに初心者の方では、踊り始めの最初の一歩が恥ずかしいという点とならび、非常に多いのが「自分は体がかたいけれど大丈夫だろうか」という悩みから、レッスンを受けるのを躊躇されるケースです。

たしかにどんなジャンルのダンスを選択するにしても、体の柔軟性は重要なポイントで、それを伸ばす努力が必要とされることも事実です。では、体がかたい人はダンサーになれないのか、最初からダンスに向いていないと諦めるしかないのかというと、そんなことはありません。今回はこの“体のかたさ”、ダンスにおける柔軟性について、少し詳しく解説していきます。

ダンサーはみな体がやわらかい?

ダンス経験のない人ほど、熟達したダンサーはみなものすごい柔軟性をもっている、まるで軟体動物のように体がやわらかいといったイメージをもっている傾向にあるようです。しかし実際には、優れた柔軟性さえあれば、ダンスが上達するというものではなく、素晴らしいダンサーとして評価されている人にも、あまり体はやわらかくない、むしろかたい方だという人もあります。

また、現在は柔軟になったけれど、ダンスを始める前はとても体がかたかった、ダンスを続けている間にやわらかくなり、表現に必要な柔軟性を獲得したというダンサーもとても多いのです。

さらにそもそも体がかたいと思い込んでいても、実はそうではないケースも多いといわれます。というのも、体がかたいと考えている人の大部分は、全身がかたいのではなく、凝り固まっている部分と適度な柔軟性を保持している部分、むしろやわらかすぎる部分が混在し、バランスがとれていない、差が大きすぎる状態になっているのです。人より前屈ができないから自分は体がかたいなど、一部位で考えてしまっている場合は、その思い込みから見直すべきかもしれません。

柔軟性ってそもそも何だろう?

ダンスと柔軟性について、先に結論からいえば、体がかたいからといって踊れないことはありません。全身の柔軟性が高いことが有利に働くことももちろんありますが、始めるにあたってそれは必要不可欠な資質ではなく、練習でカバーできるものです。

また、体がかたいと思っている人こそ、ダンスを通じてバランスの良い身体づくり、理想的な柔軟性を身につけていくことで、他の運動におけるパフォーマンスも向上し、けがをしにくくなったり、日常の姿勢改善による健康増進やスタイルアップ効果を期待したりすることもできます。ダンスレッスンでの動きを通じ、得られるところが大きいのは、むしろ体がかたい人である可能性も高いのです。

一口に体がかたい、やわらかい、柔軟性がどうかといっても、身体の状態としては大きく分けて、まず2種類からみる必要があります。ひとつは勢いをつけるなどせず、自然な状態からゆっくり身体を伸ばしていく開脚や前屈、Y字バランスなどでみられる静的柔軟性です。一般にイメージされやすい柔軟性ですね。

これに対し、もうひとつが動きの中で発揮される動的柔軟性です。これは全身の関節や筋肉の伸び縮みのしやすさ、動きの良さを指すもので、実際に踊っているシーンで重要になるのはこちらです。

前者の静的柔軟性は、主に関節の可動域を広げるために必要で、後者の動的柔軟性はその可動域の中で最大限にスムーズなかたちで身体を動かす、しなやかに、思い通りスピーディにパフォーマンスさせるために必要です。それぞれに静的ストレッチ、動的ストレッチでアプローチしていくなど、一般にダンスレッスンでは、この2つの柔軟性をバランス良く伸ばすようプログラムが組まれています。

体がかたいから無理と、実際に振りを習う前に行うストレッチやウォーミングアップ、アイソレーションなどを適当に済ませてしまうのが最も危険かつ上達を妨げるもとになります。大切な柔軟性は徐々に身についていくものであり、けが・故障の予防とダンスパフォーマンスの質向上、振り付けの仕上がりに影響するポイントなのだと意識して取り組んでください。

体がやわらかい方も、逆に靱帯が緩んでしまうなどして、動きから関節を適切に守れなくなることがあります。また静的なやわらかさはあり、可動域は広いのに、筋肉が凝り固まって動かすための状態が作れていないこともあります。正常な可動域を超えてけがをしないよう、必要なインナーマッスルを鍛えること、筋肉を温める運動をしっかりすることが大切です。それぞれ現状の状態に向き合いながら、バランス良く最高のパフォーマンスができる身体づくりをすることこそ、ダンスの上達に不可欠なのです。

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焦りは禁物!自分のペースで取り組もう

柔軟性を早く獲得しようと、負荷を過度にかけたストレッチや過度な柔軟体操を行うのは危険です。強い痛みを感じるようなストレッチを行ってはいけません。柔軟のやり過ぎや強度の強すぎるストレッチは、体の組織を痛めるもとになり、やわらかくなるどころか、それ自体でけがを負ってしまいがちです。筋などを痛めると、完治まで少なくとも数週間は練習が行えず、その間にせっかく身につけた柔軟性もダンススキルも、どうしても落ちてしまいます。可動範囲を広げる意識で、痛くない範囲内、無理をせず丁寧に伸ばしていきましょう。

ダンス動作においても、とくに独学の場合など、初心者の段階から難易度の高い動きに挑戦しすぎると、柔軟性も筋力も足りないまま、もっている可動域を超え、思わぬけがにつながることがあります。向き不向きではなく、焦りは禁物であること、基礎をおろそかにせず、少しずつできることを増やしていくことが大切であることを忘れないようにしてください。

まとめ

このように体がかたいからといって、ダンスを始められないなどということは全くありません。プロのダンサーでも、一般の私たちが想像するほど体がやわらかくない人も多く活躍しています。ダンスジャンルにもよりますが、必要な柔軟性はおよそレッスンを通じて獲得していけるものです。

ダンスレッスンを通じ、安定した可動域を広げていくかたちで、全身のしなやかな筋肉と柔軟性をバランス良く身につけていけば、新陳代謝が活発になり、より高いシェイプアップ効果が得られるようになったり、冷えやむくみの改善、腰痛や肩こりの解消など、これまで悩まされていた不調から解放されたりといったメリットも期待できます。

もちろん、けがの予防や、動かしやすく疲れにくい体作りにも有効で、難易度の高いダンス動作や表現性の高いパフォーマンスにも、徐々にチャレンジして実践できるようにもなっていきます。自分は体がかたいと諦めず、ぜひ憧れのダンスライフへ、この機会に一歩踏み出してみてください。

(画像はPixabayより)

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date : 2019.11.11
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