「本気で上手くなりたければ、たった1回のレッスンで変われる」MAI×HIRO×JuNGLEスペシャル対談!
クラブシーンやストリートダンスを語る上で欠かすことのできないこの方々 MAI、HIRO、JuNGLE。レッスンについて、今のダンサーに対しての想いを、都内のダンススタジオDANCE WORKSと協力しインタビューした。
ただ踊れるではなく、本当に上手くなりたいなら基礎力
Q:レッスン内容について教えて下さい。
HIRO 1つの動きをテーマにしてそれを膨らます。 基本から始まり、最後は難しくなるけど、それを組み合わせてコンビネーションにする。 ただ、コンビネーションはワンエイトくらいしかやらない。
MAI HIROくんのレッスンは踊れないのがバレるレッスン、ごまかしのきかないレッスンだよね。 HIRO 確かにそうかもね。 実際には踊れていないのに 「踊れるている気」になっているのが嫌いだからね!
スタッフ やっぱり踊れる人に来て欲しいですか?
HIRO そんなことは無いんだけど(笑)出来ないからと言って容赦はしてないです!
MAI 私のクラスは30分ストレッチして、1つの基本をベースにそこからの応用を練習する。 これがあって、これがある… それをしつこいくらいやる。 エクササイズだけで終る時もある、身体の使い方が下手すぎて。
スタッフ 生徒さんにあわせて内容を変えて進んでいくのですね!
MAI そうだね。 私もよっぽど気まぐれが起こらない限り振付じゃなく基礎がメインだね。 生徒達は基礎の必要性を感じているのかな? 上手くなるには大事なことなんだけどなあ。 皆上手くなりたい気持ちはあると思うんですよね…
JuNGLE “上手くなりたい”より“踊りたい”になってるんじゃない?
MAI あー、そうかもね。 ただ、その踊っているなかで壁にぶつかった子が基礎の大事さを気づくのかもな。 私達のクラスはそういう子が来るクラスなのかも。
HIRO 俺ら3人は営業向けじゃないから。 俺、教えるのがヘタだってよく言われるし。(笑)
MAI HIROくんは教えるの上手だよ! 受ける子達が何かをちゃんと受け取る姿勢でレッスンに来たら、その1回で絶対に変わると思う。
JuNGLE うん、絶対にそれはある。 HIROくんはこんなに踊れるからレッスンでは難しい事をやるのかと思ってたら、同じ事をずーっとひたすらやるんだよね! パドブレだけとか。 でも、そりゃそうだよなって思った。 なんていうのかな、HOUSE ってパドブレするだけでも本当は泣けちゃうじゃん。 だからHIROくんのレッスン見てこういうものだよなって思ったんだよね。 ていうか昔はそうだったよね!
MAI そうそう。 私達の時代は、ひとつのステップを一晩中練習してた… 一生かけてひとつのステップが出来るようになればマシみたいな事を言う先輩もいるし。 ダンスは簡単じゃない。私たちのレッスンは基礎ができていないとバレちゃう。 そしてそこを突くから、嫌気がさしちゃうのかも。
スタッフ 基礎は本当に大事ですよね。 では最後にJuNGLEさん、レッスン内容について教えて下さい。
JuNGLE 超初級には、本当に初めての人が来る。 でも甘やかしたりはしない。 あえて狭いスタジオなんだから、踊っている時の息とか汗が飛ぶ瞬間や、表情を間近でみて感じて欲しいって思ってる。 だから馬鹿みたいに踊る。 普段のレッスンではあまりやらないんだけど、このレッスンではいつもよりフルアウトで踊るよ、何回も。 通常クラスは10エイト進むけど、超初級は1エイトだけとかでわざと進めない。 曲の説明もしたいし。 なぜかDANCE WORKSはレベルが高いから行けないって言う子も多いけど、Bスタジオのレッスンは人数が限られているしオススメだと思う。
スタッフ ありがとうございます。
レッスンを受けて上手くなるものじゃない
Q:レッスンを通して皆さんが学ぶことはありますか?
うん、ある。(全員)
JuNGLE 超初級クラスは特に。 爆発的に踊るから本当に疲れるけど、“分かった!”っていう瞬間を見るのが楽しいし、下手でも“やってみる”って姿勢が見えて、これが「踊りだな」って思うんだよね。 上手くなくたっていい。 上手くなる為にスタジオがあるんだから。 下手でもやる気のあるヤツには本当のJAZZダンスを教えてあげたいって思ってる。 だから、限られた空間のBスタジオでのクラスは意味があると思う。
HIRO まぁ、おれはレッスンがほぼないからね。 すぐ海外に行っちゃうから(笑)
MAI HIROくんみたいなクラスって毎週必ず受けなくてもいいと思う。 一生に一回のワークショップくらいの感覚で受ければ、たった一回のレッスンでも、変われる事がある。 まあ、本当に変わりたい! って気持ちがあればだけど。 レッスンがあるかアンテナはって、ある時は張り切って行くくらいの勢いがあるといいよね。 そして、レッスンをもっと集中して受けて欲しいかな。
スタッフ 毎週あるから安心したり、レッスンに行ってるから練習してるって思っている人も多いかもしれませんね…
HIRO HOUSEはレッスンを受けて上手くなるものじゃないしね、特に俺のクラスは。 学んだ事をどれだけ吸収して練習するか。 今は、本質を教えられるスタジオにだけレッスンを残しているから、ここでは俺のやりたい事や、ダンスのメソッドを教える。 だから余計マニアックになって付いてこれないのかもしれない(笑) DANCE WORKSは受け放題じゃないから本当に自分に興味を持ってくれる人しか来ない。 でも、そういう人が集まるダンスシーンじゃないと面白くないと思うんだよね。
スタッフ 若手を育てていかないと、今後のダンス界が危険ですね!
HIRO いや、危険だけどね、育てたくない(笑) だって、俺が今まで培った事を、生徒に向かって後ろ向きに、対面式でやっても俺止まりじゃん。 俺も止まっちゃうし。 じゃなくて、俺はどんどん先に進むからそれを追っかけてきてってスタンスでいる。 俺の活動を観て、これに感化されて付いてくるようになって欲しい。
Photo & Interview 鎌倉有希(DANCE WORKS)