バレエ・ピラティスのスペシャリスト河南達郎が大人バレエの疑問に本音で語る!〜辛口指南 vol.1〜
バレエ・ピラティスのスペシャリスト、河南達郎先生が大人バレエの疑問に答える、『河南先生の辛口指南』。
オープンクラスで楽しく、長く、そしてケガなく踊り続けるためのアドバイスをいただきました!
先生への質問!
バレエのレッスンが大好きです。時間をやりくりしてできるだけ数多くレッスンを受けるようにしています! 疲れると膝や腰が痛くなるので治療に行くのですが、だんだん治りにくくなってきました。
これからもできる限り踊っていきたいのですが、何かアドバイスを頂けないでしょうか?
– 40代女性(バレエ歴・大人から始めて10年)
原因を知ることが一番大切
まず、慢性的な場合や急性の場合も同様ですが、なぜ痛くなっているか原因を知ることが一番大切です。慢性的な場合は、バレエクラスでの身体の使い方に問題があるかもしれないので見直してみましょう。
自分の実力にあったクラスを受講できていますか?身体の筋力が充分ではない中トゥシューズを履いたりしていませんか?子供とは違い大人のオープンクラスなので、基準も曖昧で難しいのは承知ですが、危ない方や場面は多々見かけます。
音楽に合わせて踊ったり、作品を踊ることはとても楽しいですよね。でも、何も身体のことを考えないで自分の好き勝手踊れば、プロのダンサーでも身体が悲鳴をあげます。きちんと身体の仕組みを理解し、長く楽しく踊り続けるために、バレエクラス前後のケアの仕方を考えましょう。
大切なのは身体のケアとトレーニング
どんなにすごいプロのバレエダンサーでも、身体のケアをしながら踊っています。ケアというのはマッサージ等の治療を受けるということだけではなく、スタジオ外でのトレーニングも含みます。リハーサルが終わってもすぐに帰らず、身体のセルフマッサージやアイシング、ストレッチ等に時間を割きます。それはなぜでしょうか?ケガを未然に防ぐため、そして、ケガをしてから色々対策をするのでは遅いと分かっているからです。
痛みを防ぎ、改善するためのコンディショニング
運動量に対して足りない筋力を補うトレーニングをすることが「辛いから」とか、「楽しくないから…」と嫌がる人も多いと聞きます。1回、2回やっただけで「もういいや」となる人もたくさんいるとか…。
「もう何言っちゃってるんですか?笑」と言いたい。
当たり前ですが、どんなトレーニングもケアも、効果はすぐには出ません。多少の辛さなくして身体の筋力は育ちません。楽して変われたら、今頃みんな有名バレエダンサーです。
それでも少しずつクラスでの身体の意識や感覚の変化を感じられることが続けられる活力になり、それがやがて楽しみとなれば万々歳です。
そして、ケガによる痛みや慢性的な痛みを少しでも防ぎ、改善するための助けとなる一つがコンディショニングクラスです。さまざまなメリットややり方があり、人それぞれでいいと思います。自分に合ったコンディショニング方法を探りながら踊っていって欲しいなと思います。
バレエを正しく続けるための正しい知識と選択を
時には休むことも覚えてください。痛いのにやり続けることで、良い方向に向かうことは絶対にありません。
何ごとも急な変化を直ぐに実感するのは難しいですが(バレエの上達も含めて!)、身体のケアをしながら踊る習慣を身に付け、地道に続けていけば必ず変わります。
ぜひ、大好きなバレエを楽しく続けていくために、正しい知識を学び、選択をしていってくださいね。
河南達郎 Tatsuro Kannan
幼少期よりバレエを始め、東京バレエ団で活躍後、シンガポールダンスシアター(SDT)に移籍。以後すべての公演に参加し、クラシックから、ネオクラシック、コンテンポラリー作品を踊り、ソリスト役も務める。退団後、日本にてバレエ指導・ピラティスインストラクターとして活躍。東京・表参道に「Sky Pilates Tokyo」を構える。